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社会におけるスポーツの発展において、スポーツ・インテグリティ（スポーツの健全性・高潔性）の保護に関わる問題は、不可避かつ重要な課題である。暴力・ハラスメント、ドーピング、不正経理等の問題行為は、当該競技及びスポーツ界のあらゆる取組にブレーキをかける。JSCでは、中央競技団体を対象に脅威が発生しうる現場の状況を未然に検知し、効果的に健全性の保護を図るための仕組の開発が進められている。一方、この課題を本質的に解決するためには、将来にわたってスポーツに関わるジュニアアスリートやその地域関係者がこの問題への正しい認識や行動が必要であるが、そのための政策的な対策は十分ではない。本研究では地域での取組の在り方を検討した。地域関係者への聞取りの結果、研修会等を通じた教育・啓発が実施されている一方、予防的な具体的施策の取組等の不在が明らかとなった。試行モニタリングに対する聞取りでは、定期的に行うことでリスクに対する意識づけが行なわれ、未然にリスクを減らす効果があるという回答が得られた一方、解釈の不明瞭さに対する指摘もあった。同一のシステムを中央団体と地域団体に適用できるかの検証も必要である。