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最終更新日:2024/08/03
小松 裕
コマツ ユタカ
(Yutaka KOMATSU)
共同研究・競争的資金等の研究課題
- タイトル
- 超音波内視鏡下ショットガン吸引細胞診と遺伝子変異解析を併用した膵がんの早期診断
- タイトル(英)
- 研究概要
- 膵癌の確実な診断のためにEUS-FNAを導入し、さらにこの検体の変異K-ras遺伝子を定量的に測定し、膵癌の確定診断のみならず、慢性膵炎、他臓器癌の膵周囲リンパ節転移の鑑別診断にも役立つかを検討した。対象は膵癌を含む腹部に腫瘤を認めた38例である。EUS-FNAはコンベックス型超音波内視鏡(Pentax/Hitach)を使用し、22G GIP needleにて穿刺を行った。変異ras遺伝子はキット化されたEnriched PCR+Enzyme Linked Mini-sequence Assay法により定量的に検出した。 手術標本、剖検による病理診断、臨床経過などにより最終診断を決定し、EUS-FNAの成績と比較検討した。最終診断が膵癌であった24例の検討では、EUS-FNAの病理診断(細胞診class5)、遺伝子診断(変異ras量2%以上)はそれぞれ63%、75%であり、双方組み合わせていずれか陽性の症例は79%となり、膵癌の診断能は向上した。なお、EUS-FNAの細胞診、遺伝子解析の双方とも診断に寄与しなかった5例についてはERCP時採取した膵液の解析結果、細胞診はすべて陰性であったが、K-ras定量解析では5例中2例が変異ras量2%以上であり、膵液遺伝子解析がさらに膵癌診断感度の向上に役立った。一方、慢性膵炎8例の検討では、細胞診は2例でclass3と境界診断であったが、遺伝子診断では全例変異ras量2%以上はなく、膵癌ではない可能性を示唆し鑑別診断の補助に役立つと考えられた。膵周囲のリンパ節転移の6例では細胞診でclass5は3例であった。これらは遺伝子診断では変異ras量2%以上はなく、膵癌ではなく他臓器リンパ節転移を示唆し、鑑別診断の一方法になると考えられた。以上、膵臓周囲に腫瘤が認められた場合、EUS-FNAは膵癌、慢性膵炎、他臓器膵周囲リンパ節転移の確定診断、鑑別診断に役立つが、K-ras遺伝子定量を併用するとさらに有用であった。
- 研究概要(英)
- 参照URL
- https://researchmap.jp/utah123/research_projects/41115017
- 担当研究者
- 多田 稔,白鳥 康史,小松 裕
- 担当研究者(英)
- 提供機関
- 日本学術振興会
- 提供機関(英)
- 制度名
- 科学研究費助成事業 特定領域研究(C)
- 制度名(英)
- 研究種目
- 特定領域研究(C)
- 研究種目(英)
- 研究機関
- 東京大学
- 研究機関(英)
- 年月From
- 2000年
- 年月To
- 2000年
- 配分額(総額)
- 5200000
- 配分額(直接経費)
- 5200000
- 配分額(間接経費)
- 資金種別
- 課題番号
- 12217033
- KAKEN URL